ジョブコーチトピックス

障害者雇用納付金制度の財政状況  ( 志賀 利一 : 2015/04/11 )

第68回労働政策審議会障害者雇用分科会の資料に障害者雇用納付金制度の財政状況についての資料が掲載されています。この資料では平成21年度から平成25年度までの5年間、ならびに平成26年度の「見込み」が記されています。JC−NETでは、平成14年度の数字からチェックしていますので、より長期の財政状況についてグラフ化してみます。ただし、積立金額は、平成21年度以降のものしかありません。

サラリーマンのお父さんのお小遣に見立ててみるとわかりやすいです。

【収入】小遣いの金額です(納付金)
【支出】日常の消費の内訳です(調整金/報奨金、助成金、事務事業費)
【繰越】収支の差額をコツコツためたヘソクリです(積立金)

このお父さんは、お小遣い帳をつけた平成14年度以降、納付金は減り続けていました(何と平成22年まで)。一方、平成16年度から、消費意欲が旺盛になり(毎晩居酒屋に通うようになったか?)、一旦贅沢になった消費活動は、なかなか減らすことはできません。それでも、平成16年度までは(このグラフに表れるはるか前から)納付金会計は、収入が支出よりかなり多く、お父さんは毎年ヘソクリをかなり溜め込んでいました。

しかし、そんなにうまくは行きません。平成17年度は、単年度収支がトントンになり、それ以降、単年度収支が赤字続きで、ヘソクリを食い潰し続けていました。危機感を感じたお父さんは、女房に交渉し、お小遣いの増額を交渉し、小さい額ながら成果もありました(200人以上の企業からも納付金を徴収する等)。しかし、ヘソクリの減少は止まらず、平成26年度には、より根本的な交渉に成功しました(法定雇用率を0.2%あげる)。まだ、最終的な計算はできていませんが、久々に単年度黒字になりそうです。さらに、平成27年度には、100人以上の企業からも納付金が徴収できそうです。いくつかの居酒屋もつぶれたので(ジョブコーチ等納付金会計の助成金から外れる)、支出も圧縮できるかもしれません。ヘソクリに期待が持てます。めでたしめでたし。

(追加:2015年4月15日)
納付金の積立額をもう少し遡りました。上記の説明文はそれ程大きな変化はありません。
下のグラフをご参照下さい。

抜本的な改正がひつようではないでしょうか?

それにしても平成25年度の数字は衝撃です。納付金(未達成企業から一人足りない毎に5万円徴収するお金)より調整金/報奨金(たくさん雇用した企業に多い人数☓2.7万円支払う等)の金額の方が多いんですよ。雇用の割当制度自体は、成果もあり、ある程度の期間継続が妥当だと思いますが、納付金・調整金の仕組みは、早急に抜本的に改正しないと、制度自体が危うくなるように思います。

投稿者: 志賀 利一 2015/04/11
抜本的な改正に賛成です

労働政策審議会障害者雇用分科会の資料を拝見しました。http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080253.html

確かに、平成21年度〜24年度までは、「納付金収入」が「調整金/報奨金」を上回っていましたが、平成25年度は1億円の赤字になっていますね。

今は「納付金(罰金)」を「調整金/報奨金」に回す仕組みですが、雇用率を達成する企業が増えれば「納付金(罰金)」も減りますし、おっしゃるとおり抜本的な改正が必要だと思います。


投稿者: 中川二郎 2015/04/12
納付金の活用方法

中川様、コメントありがとうございます。本来「義務」である法提供率を諸般の事情で直ぐに達成出来ないので、達成を予定している間での間「納付金」を支払います、といった主旨の仕組みですから、雇用率同様、納付金も当面は続ける方が良いと思います。問題は、調整金/報奨金の方ですよね。無責任な意見ですが、①対象の雇用率(例:法定雇用率+0.2ポイント)、②金額(2.7万円を減らす)、③企業規模別(例:一定規模の企業は・・・)なのか、④上記の組み合わせなのか、業界団体との調整も簡単ではないでしょうが検討する時期なのでしょうね。

投稿者: 志賀 利一 2015/04/12
新しいグラフを追加(4月15日)

納付金の積立金は、以前の資料にも載っていました。追加で、新しいグラフを掲載しました。

投稿者: 志賀 利一 2015/04/15
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