ジョブコーチトピックス

手帳制度  ( 志賀 利一 : 2004/11/02 )

私たちの国では障害のある人に手帳を交付し、各種福祉サービスの利用にそれを活用する仕組になっています。身体障害者福祉法では「身体障害者手帳」、知的障害者福祉法が「療育手帳」、そして精神保健福祉法が「精神障害者保健福祉手帳」を定めています。手帳には障害の種類や程度判定が記されています。障害者雇用の対象となる人も、原則的にはこの手帳が交付されている人です。
手帳の交付手続きは、障害の種類によって異なります。申請窓口は、すべて、居住する市町村の福祉事務所ないしは担当課です。申請に際して、精神障害者保健福祉手帳の場合は、医師の診断書を添える必要があります(その後、精神保健福祉審議会で判定され交付される)。また、身体障害者手帳は同じ診断書添付でも、都道府県等で指定された医師の診断書が求められます。療育手帳(知的障害)が一番複雑で、申請後、児童相談所(18歳未満)ないし更生相談所(18歳以上)で判定を受ける必要があります。
交付手続きだけでなく、障害の程度の区分も手帳ごとに異なります。精神障害者保健福祉手帳は1級〜3級、身体障害者手帳は1級〜6級です。どちらも1級がもっとも障害の程度が重いことをあらわします。療育手帳は、国では重度・それ以外の2つの区分しかありません。しかし、自治体によっては3段階、4段階、5段階、6段階と非常に細かな区分をしているところもあります(手帳の名称も、愛の手帳やみどりの手帳と呼んでいるところもあります)。障害程度の区分は、当然、受給できる福祉サービス等の範囲や程度と関係してきます。ただし、これも手帳の種類ごとに若干異なります。詳細については、最寄の福祉事務所ないし障害担当課に問い合わせる必要があります。
ジョブコーチは、基本的に手帳の交付を受けている人を支援することになります。通常の業務で、手帳交付と福祉サービス利用の調整に携わることは少ないはずです。しかし、障害はあるが手帳の交付に踏み切れない人、あるいは現行の手帳制度のグレイゾーンで、どの手帳取得が有利であるか判断がつかない人の相談を受けることもあります。また、長年企業等で働き福祉サービスとは全く無縁の障害者に対して、離職等をきっかけに、福祉サービスの説明を行うこともあります。このような場合、かなり専門的な知識と経験が必要になります。ジョブコーチがひとりで抱える問題ではなく、福祉サービス調整の専門家と連携をとらなくてはなりません。

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大学を卒業後、民間の発達障害専門の診療所で働く。当時は、心理職として乳幼児から学齢時を中心とした発達障害児の療育相談を行っていた。13年後、労働組合(電機連合の神奈川)が社会福祉法人を設立する段階で合流。障害者の一般就労を目指す施設の運営に携わる。さらに15年が経過し、50歳を過ぎてから、現職に。知的障害・発達障害のある人の生活上の課題と支援のあり方について、調査研究を8年間行ってきた。還暦を目前に、4度目の新入社員を2018年4月からはじめました。知的障害・発達障害を中心に、ゆりかごから墓場まで、安心した生活ができる環境づくりに向け、微力ですが、まだまだがんばります。

【略歴】
昭和57年 埼玉大学教育学部卒
昭和57年 (財)神奈川県児童医療福祉財団小児療育相談センター勤務
平成7年  社会福祉法人電機神奈川福祉センター勤務
平成22年 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園 研究部・研究課 勤務
平成30年 社会福祉法人横浜やまびこの里 相談支援事業部 勤務