ジョブコーチトピックス

フォローアップ  ( 小川 浩 : 2005/01/26 )

職場における集中支援により、障害のある人の自立度が上がり、ナチュラルサポートの形成も進むと、ジョブコーチはフェイディングを完了して、フォローアップに移行していきます。フォローアップにおいて何をしなければならないという厳密な定義はありません。支援を完全に終了してしまうのではなく、障害のある人が就労を継続していくのに必要な支援を細く長く続けていくことを意味する包括的な言葉です。
少し整理すると、障害のある本人に対するフォローアップと、事業所に対するフォローアップに分けることができます。さらに別な視点では、
1.定期訪問によるフォロー
2.電話連絡によるフォロー
3.ジョブコーチの事務所等に来てもらうフォロー
4.余暇活動等を企画して障害のある人に集まってもらうフォロー
5.アンケートなど文書によるフォロー
等に分けることも可能です。フォローアップと言っても事業所の定期訪問だけでは労力がかかりますから、いろいろな方法を組み合わせて関係の維持を図ることが必要です。目的に合わせて、事業所に対するフォローと、障害のある人に対するフォローの双方がバランス良くなされるような計画を立てることが必要です。
フォローアップはジョブコーチによる就労支援プロセスの中でもっとも軽視されがちな部分です。十分でない体制の下で事業を進めると、どうしても新しい集中支援の方に次々にマンパワーを取られてしまいます。ジョブコーチによる就労支援事業を設計するときには、フォローアップにどれくらいの労力と人員が必要かを盛り込んでおくことが必要と思われます。地方自治体による就労支援事業では、フォローアップだけを専門に行う職員を配置しているところもあるようです。
 次々に新規に就職させて次々にドロップアウトするよりも、フォローアップに一定のコストをかけながらも長期的で安定した就労の維持を図る方が効率的にであることは言うまでもありません。ジョブコーチの仕事には、フォローアップはつきものなのです。

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大妻女子大学人間関係学部人間福祉学科・教授、社会福祉法人横浜やまびこの里・仲町台センター

経歴:

大学院で障害児教育を学び、神奈川県総合リハセンターの知的障害者更生施設の生活指導員として障害者福祉の業界にデビュー。その後、同センターの職業前訓練科を経て、1998年より社会福祉法人横浜やまびこの里・仲町台センターにてジョブコーチの仕事を始める。2003年より現職。

プロフィールコメント:

仲町台の実践がスタートして2〜3年、目前の利用者さんの支援に無我夢中だった頃、ジョブコーチについて話しをする時は、「とやかく言わずにとにかくやってみよう」という思いを込めて「Just Do It」をキーワードにしていました。管理運営の立場になるにつれて、次第に「Plan Do See」、計画と修正の必要性を説くようになりました。今、ジョブコーチ・ネットワークを立ち上げるにあたって、気分は再び「Just Do It!」。もう一度、とやかく言わずにやってみようと思っています。日本のジョブコーチ、アッという間にここまできましたが、まだまだ理想とかけ離れているからです。一緒に「Just Do It!」の人たち、側で「Plan Do See」と囁いてくれる人たち、いろいろなカラーでジョブコーチ・ネットワークを形作っていきたいです。日本の就労支援、障害者福祉、「ジョブコーチ」をキーにどこまで変わるか。もう一勝負!